あっちこっち®ふきん物語【第五話】
さて、いろいろな問題を乗り越えて、
ついに商品化された「あっちこっち®ふきん」!
最初の売れ行きはどうだったんですか?
販売が始まったのは1989年ごろのことです。
前回お話ししたモニターテストを経て、販売に至ったわけですが、
最初はなかなか売れませんでした。
うーん、そうなんですね。
いろんな課題をクリアして、すごくいいものができたと思うんですが……。
洗剤なしでも、汚れが落とせるというのは画期的ですし、
それも一拭きでよくて、二度拭きの手間がいらないというのは、
他にはない商品ですよね。
性能は申し分なかったのですが、
1枚980円(税別・Lサイズ)という価格が問題だったようです。
性能が伝わっていないなかでは、高いと感じられたのかもしれません。
売れない理由をリサーチしながら、模索していたんですが
販売を中止するという話も出たくらいなんです。
それでも、この商品の性能を理解してもらえれば
きっと価格にも納得して買っていただけるのではないか、と。
確かにそうですね。実際にどれくらい汚れが落ちるのか、
見てみないとわからないですもんね。
ただ、当時、なぜか北海道では売れていたんです。
え? 北海道だけというのは不思議ですね。どうしてですか?
そのころ、北海道では石狩川の環境汚染が原因で
鮭が減少しているということが社会問題になっていたんです。
生活排水をきれいにしよう、少なくしよう、という動きが出始めたころでした。
そこでこの洗剤要らずの「あっちこっち®ふきん」に
注目が集まったようなんです。
なるほど。洗剤なしでも大丈夫ということは、環境にも優しいですものね。
性能が伝われば売れるという証明にもなったのではないですか?
そうなんです。
洗剤がなくても汚れが落とせるということを
伝えながら販売することが必要だということになって、
訪問販売や実演販売をするチームを結成することにしました。
実際に使って性能の高さを実感してもらった主婦の方々のチームです。
おー! それはおもしろいですね。目の前で見ればきっと伝わるはず!
全国各地の百貨店で実演販売していくようにしました。
性能が伝わって、販売枚数も驚異的に伸びていったんです。
雑誌や新聞に掲載され、テレビやラジオで紹介されることも増え、
さらに皆様に買っていただけるようになりました。
皆さんに伝わってよかったー!
その後、性能やサイズの違う「あっちこっち®ふきん」ができたんですね。
はい、次回は、そのお話をしましょう。