あっちこっち®ふきん物語【第一話】

極細繊維が洗剤なしで汚れをふきとれる。さらに洗えて何度も使える。

そんなマイクロファイバーの生地は、今では掃除の定番商品として知られています。
しかし、テイジンが開発した当初は、衣料用として作ったものだったのです。

それがどうして「ふきん」に生まれ変わったのでしょう?
「あっちこっち®ふきん」が生まれるまでの物語を、お姉さんと一緒に聞いてみましょう。

 

第一話

 

 

もともとは、ファッション向けの生地だった


お姉さん笑顔イラスト
『あっちこっち®ふきん』の生地って、
もともとはコートに使われていたって本当ですか?」

研究者イラスト
はい、最初はスエード風の生地として作られたものなんです。まずは、その生地開発のお話から始めますね。
今から30年ほど前、アパレル業界であるブームが起きました。スエードなどの光沢があって高級感のある生地が人気になったのです。これらは売れに売れ、コートやジャケットなどに使われていました。テイジンでは、よりいい生地を開発しようということになりました。「もっとなめらかな生地をつくれば人気が出るのではないか」「お客様が求めている、上品なイメージの生地を考えよう」そんな風に開発が進んでいったのです。そうして生まれたのがマイクロファイバーの糸を使った「テイジン®ハイレーク®」という生地です。

お姉さん笑顔イラスト
マイクロファイバーの糸ってどういうものですか?

研究者イラスト
ナイロンやポリエステルの繊維で、髪の毛の100分の1という細さのものです。
この繊維を使うことでできた生地は、肌触りが良く、光沢もあり、やわらかなんですよ。
その糸を使ってできた「テイジン®ハイレーク®」は、テイジンにとって自信作でした。

お姉さん笑顔イラスト
なるほど。
スエード生地って天然素材ですが、それを人工的に作ったということですね。
人気がありそうですね。

研究者イラスト
はい、最初は好評でした。下の資料を見てください。
スエード記事
スエード記事
当時の社内報です。新しい生地ができましたという報告やどのような商品に使われていたかがわかると思います。

お姉さん笑顔イラスト
この「スエード衣料新素材本格販売」という記事が最初なんですね。
お、さらに、その3年後の記事には、ハイレーク®を使ったブランドのことも書かれていますね。
「格調高い表面効果」「織物独自の優れた着心地」とあります。
力を入れていたんですね。歴史を感じます。

研究者イラスト
でも、少しずつクレームが出てくるようになったんです。
「ホコリがくっついてしまう」
「単色でしか染められないから、使いにくい」
「もっといろいろな色に染められるようにできないのか」
「皮脂汚れなどがついて落ちにくい」
といった声が上がってくるようになって。

お姉さん驚きイラスト
えーー! それは大変。防げないものなんですか?

研究者イラスト
難しいんですよ。
そのクレームはどれも、
「テイジン®ハイレーク®」の性質上、防げないことなんです。
繊維がとても細く、糸のエッジがシャープということは他のメーカーではできない、とても高性能な特徴なんですが、それは同時に、汚れがつきやすく、多色で染めることが難しいという問題を生み出してしまっていたんです。

お姉さん驚きイラスト
せっかくいい生地ができたのに、もったいない。

研究者イラスト
そうですよね。難しいながらに試行錯誤していたんです。
「なんとか染められるようにできないものか」
「繊維をもう一度見直してみてはどうか」
技術者とともに、さまざまな角度から検討してみたんですが、なかなかいい解決策は出てきませんでした。
そうして、何度も何度も話し合いを繰り返しているなか、少しずつこの生地を求めるメーカーが減って、「テイジン®ハイレーク®」の業績は下がっていってしまいました。

お姉さん驚きイラスト
大変! このあと、一体どうなっていくんですか?

(第二話へ続く)

 

吸水性と速乾性に優れた【テイジン】のあっちこっち®ふきん

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